プロントザンを用いた創傷治療に関する、海外からの事例を掲載しました。
症例1
施設 | Szeged, ハンガリー |
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患者の性別 | 女性 |
患者の誕生年 | 1930年 |
既往歴(PMH) | 慢性下腿潰瘍、静脈系機能不全 |
アレルギー | なし |
治療 | − |
創傷の診断 | 痂皮形成を伴う創で、漿液性分泌、わずかに膿性の分泌を認めた。下腿浮腫、疼痛あり。 |
創傷の場所 | 右下肢および踝内部 |
創傷保有期間 | 数年 |
以前の処置法 | 乾燥包帯 |
治療変更の理由 | 重度の感染を伴い、創傷治癒が停滞 |
被覆材の交換頻度 | 1日2回(1週間)その後1日1回 |
使用した他の材料 | パラフィン含有ガーゼ |
転帰(最終コメント) | 創は治癒した。 |
[1日目] 2006年7月21日
下腿浮腫、漿液性分泌、わずかに膿性の分泌を認めた。また、下腿にそう痒、疼痛があった。
[31日後] 2006年8月21日
踝部の創は完全に治癒した。下腿創部にはパラフィン含浸ガーゼを貼付した。下腿潰瘍は1ヵ月でほぼ完全に治癒した。
症例2
施設 | Kempten Clinic, ドイツ |
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患者の性別 | 男性 |
患者の誕生年 | 1933年 |
既往歴(PMH) | 末梢動脈閉塞性疾患(PAOD)ステージⅣ、糖尿病、多発性神経障害 |
アレルギー | なし |
治療 | ー |
創傷の診断 | 糖尿病性足病症候群(DFS) |
創傷の場所 | 切断D3-D5、左前足部 |
創傷保有期間 | 3週間 |
以前の処置法 | 軟膏ガーゼ |
治療変更の理由 | 治癒が停滞、感染あり |
被覆材の交換頻度 | 1日1回 |
使用した他の材料 | アルギネート創傷被覆材、創傷用パッド |
[1日目] 2006年7月16日
前足部D3~D5の切断後状態。創の状態:前足部全体にスラフ、明確に認識できる発赤、浮腫を認めた。足外側縁に圧痛あり、創部は残渣で覆われていたため、患者に除圧靴を提供した。
[131日後] 2006年11月24日
創縁に刺激の徴候は認められなかった。肉芽細胞の形成を認め、創は上皮化期にあった。角化上皮は常に除去した。リハビリテーションセンターにて特殊なレザーで作られた糖尿病患者向けの靴を患者に提供した。
症例3
施設 | CWZ Nijmegen, オランダ |
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患者の性別 | 女性 |
患者の誕生年 | 1921年 |
既往歴(PMH) | 慢性静脈・動脈不全 |
治療 | バルーン血管形成術 |
創傷の診断 | 慢性潰瘍 |
アレルギー | Agドレッシングおよびミコナゾール硝酸塩 |
創傷の場所 | 左右下腿 |
創傷保有期間 | 4か月 |
以前の処置法 | アルギン酸およびゲル |
治療変更の理由 | 改善が得られず、激しい疼痛を伴い、切断のリスクがあった。 |
被覆材の交換頻度 | 1日1回 |
使用した他の材料 | バルーンカテーテル |
転帰(最終コメント) | 創の治癒速度が著しく速まった。結果、足の切断は中止された。 |
[1日目] 2007年7月25日
皮膚の壊死、重度の動脈・静脈障害が認められたため、切断が検討された。プロントザンによる治療を開始。
[210日後] 2008年2月20日
創面積は顕著に減少した。
症例4
施設 | Älvuddens sjukhem, Gagnef kommun, スウェーデン |
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患者の性別 | 女性 |
患者の誕生年 | 1909年 |
既往歴(PMH) | − |
アレルギー | なし |
治療 | なし |
創傷の診断 | 滲出液を伴う創、中等度の炎症所見、疼痛あり。 |
創傷の場所 | 仙骨部 |
創傷保有期間 | 2006年6月12日 創破綻 |
以前の処置法 | ハイドロゲルの塗布 |
治療変更の理由 | ハイドロゲルによる治療で変化なし |
被覆材の交換頻度 | 3日に1回 |
使用した他の材料 | − |
転帰(最終コメント) | 現状は、創の面積が縮小し、創底が浅くなり改善傾向にある。 |
[1日目] 2006年10月10日
プロントザン創傷洗浄用ソリューションによる治療開始前。2006年6月12日に創破綻。緑膿菌の増殖が疑われたため、シプロフロキサシンを処方。創部の機械的洗浄を行う。患者の栄養状態は良好であった。創部の除圧を行った。
[42日後] 2006年11月21日
創の大きさがさらに減少。臭気はなくなり、疼痛は完全に消失した。
症例5
施設 | AZ St Elisabeth, Zottegem, ベルギー |
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患者の性別 | 女性 |
患者の誕生年 | 1970年 |
既往歴(PMH) | − |
アレルギー | − |
治療 | − |
創傷の診断 | 第Ⅱ度熱傷 |
創傷の場所 | 顔面および胸部 |
創傷保有期間 | 4日 |
以前の処置法 | 熱傷被覆・保護材による処置 |
治療変更の理由 | 痂皮形成を伴う熱傷創 |
被覆材の交換頻度 | 1日2回 |
使用した他の材料 | 熱傷被覆・保護材 |
[1日目] 2006年6月9日
痂皮形成を伴う熱傷創が認められた。
[7日後] 2006年6月16日
最終結果。
症例6
施設 | University Hospital Zürich, Out Patient Clinics, Dermatology, スイス |
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患者の性別 | 女性 |
患者の誕生年 | 1924年 |
既往歴(PMH) | 不明 |
アレルギー | なし |
治療 | なし |
創傷の診断 | 転倒後の創破綻 |
創傷の場所 | 左下腿遠位部 |
創傷保有期間 | 4週間 |
以前の処置法 | Agドレッシング |
治療変更の理由 | 創の改善が見られず。感染創。 |
被覆材の交換頻度 | − |
使用した他の材料 | Ag 多層構造被覆材 |
転帰(最終コメント) | 62日後に創は完全に治癒した。 |
[1日目] 2006年5月2日
初発時:プロントザン創傷洗浄用ソリューションによる洗浄および湿潤化前の創。
[65日後] 2006年7月6日
プロントザン創傷洗浄用ソリューションによる洗浄および湿潤化後の創。これ以上の計測は不可能。